むし探検広 場
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500. 5.13.2001 from M.M.さん

初めてメイルします。山好きな56歳の会社員です。昨日、埼玉県両神山に行ってまいりました。そこ見たこともない不思議な虫を見つけました。早速デジカメに納め、子供の図鑑などで調べて、オサムシの仲間と思いましたがピッタリ一致しません。どうぞよろしくお教え願います。

 

園長:M.M.さん、記念すべき500メール目です〜 \(^O^)/
 きれいに撮れていますね。これは、ヒメツチハンミョウです。甲虫には違いありませんが、オサムシの仲間ではありません。
 この虫、実はとても、へんてこです。
 写真の個体はお腹が大きく膨れていますが、これはメスでして、お腹の中には卵がいっぱい詰まっています。メスは地上を歩き回り、そのうち穴を掘って地中に産卵します。産まれた(ものすごく小さな)幼虫は、アザミなどの花によじ登り、そこにやってきたハナバチのあしにしがみつき、ハチの巣に入り込みます。その巣で、ハチの卵やハチが蓄えている花粉・蜜を食べてすくすく育ちます。育つにつれてコガネムシの幼虫のような形になり、6令目に擬蛹(ぎよう)という変なものになります。7令目はまた幼虫型になりますが食物はとりません。その次に本当の蛹になって、やっと成虫になるのです。(これを過変態(かへんたい)といいます。)
 また、成虫の体液にはカンタリジンという毒があって、手につくと水膨れのような炎症をおこしますので、不用意にさわらないようにしなければいけません。


499. 5.13.2001 from ふさ さん

 はじめまして。
 こんにちわ。
 昨日山菜取りに行って、生まれて初めて一見アゲハのような「縦」のトラ縞をした綺麗な蝶を見ました。
 生まれてこの方見たことが無い模様だったので、気になって気になって...
 検索したらこちらにたどり着き、お写真拝見したところ「ギフチョウ」のようなんですが...
 まわりの皆にもきいたのですが、みたこと無い(わからない)と言っていました。
 もしギフチョウだとしたら、場所は新潟県○○郡△△町のブナですが、ここでは珍しい方なんでしょうか?
 また、ギフチョウの他に似た模様の蝶はいるのでしょうか?
 もし、ご存知でしたら教えてください。
 よろしくお願いいたします。

 ..カメラを持っていなかったのがとても残念です。また見られると良いんですが。

園長:たぶんギフチョウに違いありません。
 ギフチョウに似ている種類にヒメギフチョウがいますが、普通この2種は棲み分けをしています。山形県や新潟・長野県境の姫川流域などには、例外的に2種の混成地がありますが、基本的には新潟県はギフチョウの領地になっています。
 ギフチョウは日本特産種で、しかも本州にしか生息していない貴重なチョウです。
 数十年前まではそんなに珍しい種類ではなかったのですが、自然破壊やマニアによる乱獲などにより数が減っており、レッドデータブックの絶滅危惧II類(VU)にリストアップされています。新潟県には現在でもギフチョウを多産する場所が点在しており、全国的にみても貴重な地域といえます。
(今回、メールの掲載にあたっては、生息地の詳細情報を伏せさせていただきました。)

>..カメラを持っていなかったのがとても残念です。

 でも、考えようによっては、「春の女神」とのはじめての出会いを、(写真を撮らなければという邪念にじゃまされず)純粋に体験できたのは良かったのではないでしょうか。

 生息地の標高にも左右されますが、新潟県でも、ギフチョウの季節はもうそろそろ終わり。
 今頃は、幼虫の食草であるカンアオイの葉裏に、卵や幼虫達が見つかるかもしれません。
 卵や幼虫の様子は、「てふてふファンタジア」のこちらのページでどうぞ
 ↓
 http://www2.justnet.ne.jp/~aakawabe/toku1-2.htm


498. 5.12.2001 from しおピーさん

 きょう家の前の空き地で細くて黒くて首のところが赤い虫を見つけました。
 葉っぱにいたけどはねを出して飛んでっちゃった。
 昆虫エクスプローラで調べたらセアカヒラタゴミムシに似ていました。
 違うかも知れないけど、知ってる人がいたら教えて下さい。
 他にも、ナミテントウも見ました。

園長:葉っぱにとまっていて、すぐ飛んでいったのなら、セアカヒラタゴミムシではないと思います。ゴミムシの仲間は、普通、地面にいて、逃げるときは走って逃げるからです。(夜は灯りに飛んでくることはあります)

 「細くて黒くて首のところが赤い虫」というので思いあたるのは、このキクスイカミキリです。

 
 (SYUUTA撮影)


497. 5.11.2001 from M.N. さん

 初めまして
 お教え下さいませ
 昨日木の枯れた葉を掃除をしていましたら 枯れ葉に混じってはらはらと落ちてきました。
 あまりに美しさにびっくりしたほど鮮やかな蛾です。
 真上から見た状態では真っ白なだけのコンコルド型とでも言うのでしょうか。
 大した特徴はないのですが 羽根の間から見えた背中は目にも鮮やかな赤。スカーレットです。
 スカーレットの背中には黒い点が規則正しく着いています。上半分は真っ赤下半分は
 白の胴体ですが お腹の横には黒い点が有りました。
 此処は大宮の中でも見沼田圃に近く自然の残っているところです。
 この蛾の名前を知りたいと思いましたが 蛾の図鑑がないので いまはケースに入れてみています。まだ生きています。何をやったらよいかも分からず 水でぬらした葉を入れてあります。逃がすには惜しいくらい美しい蛾です。

 もう一つのきがかり
 昨年の夏 一度もスズメガを見ませんでした。
 いつもの年には エビガラスズメの幼虫が あっという間にアイビーを食べてしまうこともあったのですが、昨年は一枚も食われずに 過ぎてしまいました。
 あの大きいグロテスクな幼虫を見ないでも済むのはうれしいですが 異変でしょうか?
 灯りにも来ませんでした。例年網戸に突進してくる蛾が後を絶ちませんでしたが、実に静かな昨年の夏でした。

 今年は鳥にも変化があります。
 毎年来るウグイスが来ない。
 5月になったら直ぐになく郭公が聞こえません。
 四十雀がまだ賑やかに 実もなくなった大納言に来ます。
 からすが何100羽と集まり これがからすの集会というのかと見ていましたが 並々ならぬ数でびっくりしました。電線から屋根の上、木の上 そして空に からすばかりが集まっていました。
 尾長がきつくなっています。からすの仲間ではありますが てを入れてないお宅のこの手檜葉の生け垣に巣を作りました。猫が来る様なところに作っています。
 その分激しく威嚇もしますし猫の頭を突っつきにきます。
 ツバメの来る時期が早かったですね。
 ヒバリは見えなくなっています。もう着ていないのでしょうね。
 野犬も野良猫も減ったので 休耕田は鳥は賑やかですが 種類は変わっています。
 ただ窓から見ているだけでもずいぶんな 変わり様です。
 とりあえず蛾の名前を教えて下さい。よろしく御願い申し上げます。

園長:その蛾は、ヒトリガの仲間に違いなく、たぶん、オビヒトリ(学名 Spilarcita subcarnea)ではないかと思われます。幼虫はクワなどを食べます。

 Mさんのメールを読んでいると、自然がとてつもなく変貌しているように思えてきます。
 その年の特殊要因によって、生き物の数が増えたり減ったりすることももちろんありますが、そんなノーマルなものでなく、地球の温暖化などの大きな変化が生き物の世界を構造的に変化させているのかもしれませんね。


496. 5.11.2001 from イケチャン さん

  フクラスズメの幼虫に出会うこのごろですが、幼虫から成虫になる途中いわゆるサナギや、羽化する瞬間などを見たことがありません。どなたか写真で教えていただけませんか?

園長:フクラスズメの幼虫は、黄白色・紅色・黒色に塗り分けられたサイケデリックなケムシで、敵が近づくと、そりかえって、激しく体をゆする変な習性があります。
 地中でサナギになるので、見かけることが少ないのです。
(知っているサイトに、サナギの画像があったので、イケチャンさんにはお伝えしておきました。皆さんの中で情報をご存じの方はメールください。)


495. 5.11.2001 from YUKI さん

  はじめまして。ちょっと困ったことがあってメールします。
 今日、突然ハエが4,5匹発生していてびっくりしてます。
 小ばえではなく、大きいものです。
 ふと思ったのが玄関にケースのまま置いてある
 トカゲ用のミルワーム。
 何か関係がありますか?

園長:ミルワームはゴミムシダマシという甲虫の仲間の幼虫です。ご安心ください。
 一方、釣りのエサとして売られている「サシ」と呼ばれるものはハエの幼虫(ウジ)です。ミルワームとくらべたら、ずんぐりしていて白っぽいです。

 でも、発生源がわからないことには、安心してられませんね。


494. 5.11.2001 from たっちゃんとママ さん

 先日青虫(蝶の幼虫らしき)のことでは丁寧なお返事をいただきありがとうございました。
 連休明けに学校に持たせようと思っていたら、その後すぐにさなぎになってしまいました。小さいのにさなぎになり、そのさなぎがまた教科書のものより小さいので心配しながら、自宅で観察することにしました。
 昨日暗くするためにかけておいたカバーをはずしてみたら羽化していました。
 やはりモンシロチョウでした。しかし、砂糖水を湿らせた綿には吸い付かず、弱っているのかと心配になり、子供たちと「朝になって、晴れてたらはなしてあげようね」と話し合い、けさはなしました。
 心配したこともなく、いちごの花のところに止めてあげるとすぐに飛んで行きました。
都会育ちの私は今まで蝶の幼虫からさなぎ、成虫に育て上げたことがなく、羽化せず死なせたことばかりでした。真近で蝶を観察したのも本当に久しぶり、30年近くなかった様な気がします。今日は 本当に感動しました。
 モンシロチョウさんありがとうの気持ちでいっぱいです。
 アドバイスをくださった園長先生もありがとうございました。

園長:それはよかったです。
 モンシロチョウもさぞかし喜んでいることでしょう。
 それにしても、生協のカブの葉にくっついていた幼虫が、無事にチョウになれるなんて、なんて運のいいヤツなんでしょう。


493. 5.10.2001 from たか くん

 カマキリの赤ちゃんを数十匹もらってきました。
 どうやって育てたらよいのでしょうか。
 長さはまだ1cm位です。

園長:カマキリには生きたエサをあげなければいけないので、ちょっと大変です。しかも数十匹!とても大変だけれど、がんばってみましょう。

 小さなハエやカを生きたまま用意しつづけるのはむずかしいので、エサはエサで繁殖させることをおすすめします。
 エサの繁殖ルームと、カマキリ用ルームが2階建てになった飼育ケースを用意するのです。カマキリ用ルームは、ペットボトルで作れます。ペットボトルの細い部分は切り取って、そのままカップやきそばの(ふたをつけた)空きケースにひっつけます。ペットボトルにひっつけたふたの部分には小さな穴をあけておきます。このカップやきそばがエサの繁殖ルームになります。ショウジョウバエなどをここに入れて、バナナを入れておけば、ハエが勝手に増え続けて、穴をとおってカマキリルームに登ってくるというしくみです。ただし、カマキリは、10匹ずつぐらい小わけにしてあげてください。

 カマキリが3cmぐらいに育ったら、1匹ずつにしないと共食いしてしまいます。何十個も飼育ケースを用意しないといけません。ショウジョウバエでは間に合わなくなって、バッタやミールワームをたくさん用意しなければいけません。
(適当に共食いするにまかせて、強いのが生き残るのを待つ方が現実的かもしれません。)

 とにかく、カマキリをたくさん飼うのは大変なこと。そうとうの覚悟が必要です。 


492. 5. 9.2001 from なおや くん

 先日、アオムシのさなぎについて質問しましたが、観察していたさなぎを学校に持っていったところ、今日の朝、1匹が羽化していました。少したってまた1匹が羽化する所を見ることができました。(子供が学校で)
 子供曰く、出てきたときは、羽がぐしゃぐしゃだった。10分くらいたったら羽がピンとしてきて、蝶の姿になりました。初めて見てとても驚きました。まだ、あと4匹いるので、また見れるといいなぁ〜と思います。

園長:すごいすごい、羽化の瞬間が見れたというのはすごいことです。日頃の行いがよくないとなかなかこうはいきません。
 私は小学生の頃、友達といっしょにアゲハチョウのさなぎが羽化するのを2時間ぐらい待ち続けていて、ちょっと油断しておしゃべりしている間にその瞬間を見逃してしまったというにがい経験があります。よっぽど行いが悪かったのでしょう。

 チョウのはねが伸びるのは、お腹にたまった体液を、はねのすみずみに流しこむからです。モンシロチョウの場合は、さなぎのからにつかまったまま伸ばすことが多いのですが、ギフチョウなど、地面近くでさなぎになる種類は、はねを伸ばせる場所をさがしてヨチヨチ歩きまわり、ここぞという場所を見つけてから一気に伸ばしはじめます。チョウが、「よし伸ばすぞ!」と決心して、ムニューと体液を意識的に流しこんでいるのか、と思うとおもしろいですね。


491. 5. 9.2001 from あかみね さん

 おきなわのあかみねでござんす。先日のハエ写真はグッド。
 あんな写真ならわかりやすいですよ。今後はさらに増やして大小くまなく家中の虫を網羅して欲しいです。このあいだのハエ調べで検索したら、殺虫剤の宣伝のとか興味本意で恐怖感をあおるような記述が多かったのでちょっとがっかり。
 しかし、うちに発生したハエがキンバエだとするってえと、我が家に動物の死体が??!一瞬怖くなったのですが、もし発見するのならいっそもっと時間がたってからのほうが良い気がして捜索はしていません(汗)。でも、これだけ読むと我が家がすごい汚いような感じがするかも…。ちゃんと掃除してる普通のうちです(引っ越してきて半年位ですし)。
 あんまり人格を疑われると困るので弁解してみました。
 沖縄は梅雨入りして、蒸し暑い夕方にはシロアリが群舞するようになってきました。パワフルな沖縄のゴキブリも勢いを増し、戦々恐々の毎日です。

園長:ああ、沖縄はもう梅雨なんですね。
 パワフルゴキブリ軍団も見てみたい気がするけど、ヤンバルテナガコガネとか、コノハチョウとか、特産のスーパースター昆虫がいっぱいいて羨ましい。
 サンゴの海がすぐまわりにあるのも羨ましい。

 家庭昆虫図鑑を作りたいけれど、実はゴキブリの写真が撮れていません。私の住む奈良は、冬がけっこう寒いので、南方系昆虫のゴキブリには住みにくいみたいです。ひと山へだたっただけの大阪の実家にはくさるほど出没するんですけど。(実家にいた頃は、ゴキブリの写真を撮ろうという発想が全くなかった。貧困だったんですねぇ、心が。)


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