うぐいす色の太い胴体を持ち、透明の翅を素早くはばたかせて直線的に飛ぶスズメガの仲間。腹部に赤褐色の帯があり、腹端には黒色の毛束をもつ。腹面は白い。
日中に活発に活動し、ホバリングしながら いろいろな花で吸蜜する。その形態と行動から、ハチに間違われることも多い。
都会の公園などでも普通に見られ、街中の花壇や人家の庭先にもしばしば飛来する。
羽化直後は、翅に白い鱗粉があるが、翅を震わせるとすぐに脱落してしまう。
幼虫は、クチナシなどの葉を食べる。
年2化で、成虫は6〜9月に見られる。蛹で越冬する。
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飼育個体(大阪府東大阪市産) 2017.5.12
オオスカシバを正面から見ると、腹面の白さが際立つ。精悍な顔立ちで、シャープな触角の形状が印象的。複眼は、灰色地に黒紋があって美しい。
飼育個体(大阪府東大阪市産) 2017.5.12
桜の幹にとまるオオスカシバ
飼育個体(大阪府東大阪市産) 2017.5.12
花壇を訪れ、吸蜜するオオスカシバ。
吸蜜 : 大阪府東大阪市枚岡 2004.10.13
こちらの個体は、毛がかなり脱落してしまっているが、まだまだ元気に活動していた。
吸蜜 : 奈良県生駒市東生駒 2005.10.16
吸蜜 : 奈良県生駒市東生駒 2005.10.16
庭木(モチノキ科)に産卵するメス。幼虫は、ふつうはアカネ科のクチナシなどを食べるため、この木が幼虫の食樹として適しているのかどうかは不明。
♀産卵 : 奈良県生駒市東生駒 2001.8.10
オオスカシバの幼虫。終令幼虫の体長は、60mm前後。胴部には細かい横皺があり、1本の尾角をもつ。背楯(頭部の後方)には顆粒がある。緑色型が多いが、褐色型もいる。緑色型の背面は青白色を帯びる。
アカネ科のクチナシ、アカミズキ、スイカズラ科のツキヌキニンドウなどを食べて育つ。
年2回発生し、おもに、6〜10月頃に見られる。
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幼虫 : 飼育個体(大阪府東大阪市産) 2016.10.26
オオスカシバの蛹。体長37mm前後。
蛹 : 飼育個体(大阪府東大阪市産) 2016.11.24
羽化直後のオオスカシバ。翅に白い鱗粉がついた姿を観察できるのは、ほんの束の間。
飼育個体(大阪府東大阪市産) 2017.5.13
羽ばたいて鱗粉を落とし、翅が透明になったオオスカシバ。
腹端の毛束をすぼめたり、広げたりするのが面白い。腹端の毛束を広げるとエビの尾に似ている。「ハチのようなエビのような虫が飛んでいた」という報告があれば、たいていは本種のこと。
飼育個体(大阪府東大阪市産) 2017.5.13