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東京昆虫探検

File10 八国山緑地(9月上旬)

狭山公園の東端に位置する八国山緑地は、映画『となりのトトロ』の舞台となったともいわれています。東西に連なる尾根道を中心にひろがるコナラやクヌギの雑木林。住宅地のすぐそばに広がる豊かな自然には、確かに、トトロが棲んでいてもおかしくないと思わせるものがあります。
今回は、夏の終わりの八国山で出会った虫たちを紹介します。




雑木林の中に続く遊歩道。道標も整備され、歩きやすい道が縦横に走っています。





左上:身体を伸ばしてかくれんぼしているつもりのチョウセンカマキリ
右上:まだ翅の生え揃わないチョウセンカマキリの幼虫
左下:見た目はぼってりメタボリック系ハラビロカマキリ
右下:こちらは、なんとなくマッスル系のキリギリスの仲間、ササキリ





:先ほどのチョウセンカマキリと同じポーズで自然に溶けこむニホントビナナフシ
擬態の腕は、こちらのほうが遥かに上
右下:かわいい翅があるニホントビナナフシの幼虫
左下:へんな人間が近寄ってきたので、小首をかしげるニホンカナヘビ




アンテナのように垂直に触角を伸ばすショウリョウバッタ
なかなか、ひょうきんな顔つきです。





秋の野の主役、バッタの仲間たち
左上ハネナガイナゴ 右上コバネイナゴ
左下ツチイナゴの幼虫(脱糞中で失礼!) 右下オンブバッタ




遊歩道のすぐそばを通る西武鉄道。線路の右は、北山公園。





林縁を可憐に舞うチョウたち
左上:外来種のアカボシゴマダラ 右上ヤマトシジミ
左下ヒメウラナミジャノメ 右下コチャバネセセリ






こちらは、個性を振り撒く蛾の仲間たち
左上キスジホソマダラ 右上ウコンカギバ
左中ホソオビアシブトクチバ 右中ウンモンクチバ
左下コシロシタバ 右下ヒメエグリバ





葉裏に隠れたがる、恥ずかしがり屋の蛾たち
左上ナミガタウスキアオシャク 右上キナミシロヒメシャク
左下ヨスジノメイガ 右下シロオビノメイガ




透明感のある斑紋が美しいヨツホシノメイガ
この種も、かなりの恥ずかしがり屋さんで、なかなかシャッターチャンスを与えてくれません。




夏の名残のセミ2種
アブラゼミ ミンミンゼミ




林の奥の湿地。まるで、深山のような雰囲気が漂っていますが、近くのグラウンドからは、子供たちの歓声が聞こえてきます。




ジョロウグモ 右下オオシロカネグモ






左上ヤマトシリアゲ(秋型) 右上ヤマトシリアゲの交尾
:クヌギの洞の中で産卵するホリカワクシヒゲガガンボ
左下:複眼をクリーニング中のハナアブ 右下:交尾するコツチバチの一種





左上:トビナナフシ?の死骸を運ぶクロオオアリ
右上アカクビボソハムシ
左下コアオハナムグリ 右下ムネアカチビナカボソタマムシ





左上ホソハリカメムシの幼虫 右上オオモンシロナガカメムシ
左下ベッコウハゴロモ 右下ミヤマアカネ





植物の茎にぶらさがって交尾するマエキガガンボの一種。
雑木林の中では、いつも、静かな時間が流れています。


 (初出 「むし探検メール No.66」)