夏の夜には、灯火にたくさんの昆虫たちが集まってきます。
特に蛾の仲間は、場所さえよければ、一晩だけで何十種類も観察できます。
せっかくなので、さまざまな色模様の蛾たちの姿を写真に残したくなりますが、夜の真っ暗な中でカメラに収めようとすると、蛾も活発に飛び回っているし、ストロボも必要になるので不自然な写真になってしまいがちです。
そこで、オススメなのが、「朝の灯火下」です。蛾たちにとっては活動時間外なので比較的おとなしく被写体になってくれます。また、太陽光で写真が撮れるので、写真の仕上がりもいい感じです。
今回は、6月のある日、午前10時から11時までの約1時間で、いったいどれくらいの数の蛾が撮影できるかチャレンジしてみました。
自然公園の入り口に立つ灯火。この周りの植栽が今回の舞台です。
ヒトリガ科のホソバガの仲間は、灯火の常連さん。葉の表にとまっていることが多く、姿も目立つので、まず最初に目につきます。
左上:ヤネホソバ 右上:ヨツボシホソバ
左下:キマエホソバ 右下:キマエクロホソバ
ヤガの仲間も、たいてい葉の表にとまってくれているので撮影が簡単です。
左上:上半身の白帯が印象的なヒメクルマコヤガ。
右上:遠目には葉っぱの部分枯れのように見えるシマフコヤガ。
左下:シロマダラコヤガ 右下:アミメケンモン
まだまだ続く、ヤガ軍団。
左上:ゴマケンモン 右上:アヤシラフクチバ
左中:シラオビキリガ 右中:オスグロトモエ
左下:キイロアツバ 右下:チョウセンツマキリアツバ
葉裏にとまっていたカノコガ。レンズが触れるぐらいに近寄っても逃げようとしませんでした。
頭上の枝先に、ヒョウモンエダシャクが2頭。けっこう敏感で、人が近づくと我にかえってヒラヒラと飛び去ります。
シャクガ系は葉の裏にぺったりとへばりついていることが多く、一見何もいないように見えても、近寄ってみると次々に飛び立ちます。
左上:ツバメアオシャク 右上:ナカウスエダシャク
左下:ウスキクロテンヒメシャク 右下:ハグルマエダシャク
大型で見栄えのするウスキツバメエダシャク。
アートな模様のセスジナミシャク。
メイガ系は小さいので見逃しがちですが、心を入れて観察すると、これもたくさんの種類が次々と‥。
左上:アカオビフトメイガ 右上:ウスモンマルバシマメイガ
左中:シロスジツトガ 右中:キバラノメイガ
左下:セスジノメイガ 右下:タイワンモンキノメイガ
やさしいデザインのホシオビホソノメイガ。
灯火から少し位置に立つサクラの幹で見つけたトビギンボシシャチホコ。
半径5m程度が要チェック圏内です。
締めて30種類。
約2分に1種類ということで、忙しいながらも とても刺激に富んだ1時間を過ごすことができました。
(初出 「むし探検メール No.52」)
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