公園や生垣などによく植えられているドウダンツツジ。4月から5月にかけて、小さな鈴のような白い花をいっぱいに咲かせます。この花の花粉や蜜を求めて、たくさんの昆虫たちが集まってきます。 
                   
                  今回は、陽春のドウダンツツジを舞台に、昆虫ウォッチングを楽しみましょう。 
                   
                    
                  自然公園の歩道脇に咲くドウダンツツジ。たいていは、人の背丈ていどの高さですが、中には数mに育っているものもあります。たくさん花をつけた木は遠くからでも白っぽく見えます。 
                   
                    
                  鈴のような形の下向きに咲く小花をたくさん付けます。 
                   
                     
                  左:長い触角がトレードマークのニッポンヒゲナガハナバチ。春にだけ見られる蜂で、ドウダンツツジによくやって来ています。触角が長いのはオスだけです。 
                  右:クモの糸にひっかかってしまったハナバチの一種。このあと、ブンブン暴れまわって、無事脱出をはたしました。 
                   
                     
                  左:背中が極端に隆起したセダカコガシラアブ。晩春の頃によく見られるアブです。 
                  右:こちらも春のアブ、ビロードツリアブ。針のような長い口吻を持ち、ホバリングしながら吸蜜します。 
                   
                     
                  左:花の上部、新芽の部分にいたシャクトリムシ(シャクガの幼虫)の一種。 
                  右:同じく新芽で見つけたヒラタアブの一種の幼虫。こちらは、茎についているアブラムシが目当て。 
                   
                     
                  左:花をよく見ると、たまに黒い物体がのぞいていることに気づきます。その正体は、ヒラタハナムグリのお尻です。 
                  右:ちょっとイタズラ。ヒラタハナムグリが入った花をとってみました。でも、ぜんぜん気づいていないようです。 
                   
                     
                  左:花の中にいたヒラタハナムグリを取り出してみました。胴体がかなり扁平です。 
                  右:花の周りをさかんに飛び回って、時々花の中に産卵管を伸ばしていたヒメバチの一種。もしかしたら、ヒラタハナムグリに寄生しようとしているのかも‥と思いましたが、確認はできませんでした。 
                   
                     
                  左:集めた花粉を肢につけているセイヨウミツバチ。 
                  右:クロオオアリの女王候補。たまたまここに着地しただけです。 
                   
                     
                  左:茎でじっとしていたシモフリコメツキ。 
                  右:ヒラタアブの幼虫と同様、アブラムシねらいのナミテントウ。 
                   
                   
                     
                  左:肢を広げて飛んでくる獲物を待ち受けるガザミグモ。 
                  右:皿状の網を張って獲物を狩るサラグモの一種。 
                   
                     
                  左:葉っぱにとまっていたオオクロヒラタヨコバイ。 
                  右:花の付け根でじっとしていたマルカメムシ。 
                   
                  遠くから眺めているだけだと「ハチが飛んでる」ぐらいにしか見えないドウダンツツジ。でも、腰を据えてじっくり観察すると、こんなにいろいろな昆虫たちが見つかります。 
                  みなさんも、公園や道ばたでドウダンツツジを見かけたら、ぐぐっと近寄って虫たちのミクロな世界に入りこんでみてください。 
                   
                   
                   (初出 「むし探検メール No.26」) 
                   
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