昆虫採集・昆虫観察のガイド

むし探検ガイド

石の下のお宝探し

春は、お天気がいいとたくさんの昆虫たちが元気に活動して、たっぷり観察することができますが、曇天の日には気温が上がらないので、昆虫たちの姿がパッタリ途絶えてしまいます。
そんな日におすすめなのが、石の下のお宝探しです。
雑木林や原っぱの周りに落ちている、ちょっと大きめの石や、適度に湿った朽木をひっくり返してみましょう。
思いがけず、いろいろな生き物たちに出会うことができます。




川沿いの散歩道の道端に落ちている石。こんなのが狙い目。




上の写真の石をひっくり返してみたら‥。
そこはアリの巣になっていて、無数のヒメアリたちが出現しました。(4月中旬)




:工事現場の脇にコンクリートの塊が落ちていたのでひっくり返してみると、小さな生き物がピョンピョン。これは、アリの巣に同居しているアリヅカコオロギです。(4月上旬)
: これもコンクリート片の裏側にいたハサミムシ。すばしこくて、アッというまに逃げ隠れてしまいます。(4月下旬)




:朽木の裏にいたオカダンゴムシの大集団。(11月下旬)
:こちらはワラジムシ。ダンゴムシと違って丸くなりません。(3月中旬)




:朽木の下でじっとしていたセスジアカムカデ。どうやらまだ冬眠モードです。(3月上旬)
:こちらも寝ぼけているトビズムカデ。(4月下旬)




春の自然公園でつくし採りをしていたら、雑木林の脇に横たわる怪しげな朽木を発見!
ヨイショとひっくり返してみると‥



出ました!朽木の下に、丸々と成長したカブトムシの幼虫がわんさか。
ひっくり返した朽木のほうにも一匹くっついていました。(4月上旬)




:朽木に巣をつくっていたヤマトシロアリ。雑木林の中でよく見つかります。(12月中旬)
:放置された材木の下ではニホンヤモリが越冬していました。(12月中旬)




:原っぱの石の下にいたマルカメムシ。(4月上旬)
:朽木の下から這い出してきたクロイロコウガイビル。ハンマー型の頭部が特徴です。(4月上旬)




:畑のそばの石の下にいたケラ。大慌てで土の中に潜ろうとしているところです。(3月中旬)
:ベンチの下にあった大きな板切れを開いてみると、巨大なヒキガエルがいてビックリ。(9月上旬)




荒地に放置された板切れをめくってみると、こんな綺麗な物体が‥。
この宝物の正体は、ナメクジの卵です。


 (初出 「むし探検メール No.37」)