楽しいたのしい夏休み。
でも、子どもたちの悩みのタネは自由研究の宿題ですね。
どうせやるんだったら、楽しみながらのびのび研究してほしい!ということで、ここでは、昆虫を題材にした楽しめる自由研究のテーマをご紹介します。
※テーマは難易度順に並べています。上のものほど手軽、下にいくほど難しくなります。
■脱け殻探し
昆虫が羽化したときの脱皮殻を探して種類を見分けます。
セミとトンボ(ヤゴ)が手軽です。チョウの蛹の脱け殻もOK。カマキリやバッタの脱け殻は崩れやすいので取り扱いに注意。集めた脱け殻は綿を薄く敷いたケースに入れて保存を。
ツクツクボウシの脱け殻
■セミの鳴き声の聞き分け
セミは都会の公園でも4〜5種類は生息していて鳴き声がそれぞれ独特です。姿を見つけるのはけっこう難しいのですが、鳴き声は簡単に聞けるので、手軽に観察できます。
セミが鳴いているあたりに向けてビデオカメラを回せば、鳴き声を録音することができます。
■灯火観察
夏の夜、灯火には、ガや甲虫を中心にいろいろな昆虫が集まります。
旅行で自然の多い場所に行ったとき、夜の8時〜10時頃に宿の周辺の灯火や自動販売機を見て回るだけで、たくさんの昆虫を見ることができます。
左:ガ、ヨコバイ、カメムシ‥ 右:時にはこんな大物も(ミヤマクワガタ)
■チョウを育てる
身近に見られる、アゲハチョウ(ミカン、サンショウ)、クロアゲハ(ミカン、サンショウ)、キアゲハ(パセリ、ミツバ)、ツマグロヒョウモン(パンジー)、ヤマトシジミ(カタバミ)などの卵や幼虫を見つけて飼育します。 (カッコ内は幼虫の食草)
庭やベランダに食草を植えておけば、親チョウが卵を産みに飛んできます。
成虫になる前に寄生虫にやられてしまうこともありますが、それも自然のしくみを知るためのいい研究材料です。
※でも、羽化の前に夏休みが終わってしまわないように、ちょっと急がなければ!!
左:プランターのパンジーで育ち、ブロック塀で羽化したツマグロヒョウモン
右:ペットボトルで作った飼育ケースで育ったキアゲハ
■アリジゴクの生態を調べる
アリジゴク(ウスバカゲロウの幼虫)は、都会の神社などでも見られます。屋根のひさしの下など、雨のかからない砂地をさがすと、すり鉢状の巣が見つかります。
エサを捕らえる様子を観察したり、捕まえて砂を敷いた飼育ケースに入れれば巣を作る様子も観察できます。
いい場所があれば、こんなにいっぱい巣が見つかることも
■水辺の昆虫の生態を調べる
水生昆虫には、エサを取る様子や、呼吸の仕方、泳ぎ方、仲間とのコミュニケーションなど、面白い生態を持ったものが多くいます。
身近な公園の池でも、アメンボやヤゴ、ミズスマシ、マツモムシなど、観察に適した昆虫がたくさん生息しています。
背泳の名手、マツモムシ
■セミの羽化観察
日没頃に公園や神社の木の根元を調べて、地中から出ようとしている幼虫を見つけます。幼虫を捕まえ、家に持ち帰って、見やすい場所にとまらせて羽化を観察します。
神秘的なアブラゼミの羽化
■樹液の定点観測
樹液が出ている木には、一日中、いろいろな昆虫が訪れます。
時間帯によって、どんな種類の昆虫が集まり、どんな行動をしているか、昆虫同士の力関係はどうなっているか、などを研究します。「雑木林の樹液探検入門」も参考にしてください)
■狩人バチの巣作り観察
ジガバチなど、幼虫を育てるためにほかの昆虫やクモを狩り、巣作りを行うハチの仲間の観察をします。
巣穴にアオムシを運びいれようとしているジガバチ
ここでは夏休みの自由研究に使えそうなテーマをいろいろとご紹介してみました。
今年の宿題は、ちょっとがんばって、先生や友達をアッといわせましょう!
(初出 「むし探検メール No.6」)
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