梅雨の季節になると、雑木林ではクリの木が白い花をつけます。
クリの花は香りが強く、その蜜や花粉を求めて、たくさんの昆虫たちが集まってきます。
今回は、6月下旬のある日、山の上に生えているクリの木で見つけた昆虫たちをご紹介します。
稜線に生えた小さなクリの木。
このように、背が低くてたくさんの花をつけている木がウォッチングには最適です。
満開のクリの花。初夏の強い日差しを浴びながら、独特の強い香りを放っています。
アカシジミ、ハガタベニコケガ、キイロトラカミキリ、ヒメトラハナムグリ、コアオハナムグリ‥ ちょっと覘いただけで、こんなにたくさんの虫たちが‥。
では、多彩な顔ぶれの虫たちを、順番にご紹介しましょう。
左: 翅を水平に開いて吸蜜するイシガケチョウ。
右: ヒョウモンチョウの仲間とは思えないメスグロヒョウモンのメス。
クリの木レストランの常連さん、ミドリヒョウモン(左)と、テングチョウ。
左: ナカボシカメムシは、花狙いではなく、茎から汁を吸っています。
右: 体液に毒を持つので要注意、キイロカミキリモドキ。
左: 鮮やかな緑色のアオハナムグリ。
右: 和風デザインのシモフリコメツキ。
触覚を伸ばし、どっちに向かって飛び立とうかと思案しているかのようなキマダラカミキリ。
左: 「じゃまなんだヨ!」と長い脚を伸ばして威嚇(?)するヒメアシナガコガネ。
右: 蜂に擬態しているヒメトラハナムグリ。
仲間がたくさん集まるクリの木は、恋人たちの出会いの場でもあります。
これは、交尾しながら食事中のキンイロジョウカイのカップル。
ツーショット2題。
左: キイロトラカミキリ(上)とコアオハナムグリ。
右: ウスアオエダシャク(右上)とセスジノメイガ。
一見、ナニモノか迷ってしまうこの派手な虫は、実は蛾の仲間のビロウドハマキです。
幼虫たちも、クリの葉の恵みを受けてすくすくと育っています。
これは、俗にシラガタロウとも呼ばれる巨大毛虫、クスサンの幼虫。
(初出 「むし探検メール No.40」)
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