秋が深まって気温が下がってくると、昆虫たちの姿もぐっと減ってしまいます。
過ぎ行く季節を惜しんで、もうちょっとウォッチングを楽しみたい、という場合は、田畑の脇にある「溝」がオススメです。
そこには、クモ、ダンゴムシ、カメムシなどなど、地味ながらも個性豊かな生き物たちの小宇宙が広がっています。
イネのひこばえが生える田んぼと、荒地の間にある小さな溝。ここが今回の舞台です。
適度に落葉のたまっているあたりが狙い目。枯葉をそっと取り除いてみると、たくさんの生き物たちが姿を現します。
落葉をかきわけると、コモリグモの仲間がすばやく走り回ります。これは、キクヅキコモリグモ。
左: 落葉にじっととまっているコバネイナゴ。
右: 上品な色合いのフクログモの一種。
左: オスグロハエトリのオス。その名のとおり、真っ黒です。
右: こちらは、メス。雌雄で色模様が全く異なります。
これも真っ黒、稲の害虫として農家の人には嫌われるイネクロカメムシです。
左: ハラビロマキバサシガメ(?)の幼虫。
右: トゲシラホシカメムシは、成虫でも5〜6mmのミニサイズ。
オカダンゴムシも溝の世界の常連さん。左のように真っ黒なのはたいていオスで、右のように黄色い斑紋を持つのがメスです。
ゴミムシの仲間は、ササッと走って、すぐ落ち葉の下に隠れてしまいます。これは、キアシクロゴモクムシ。
左: ダイコンハムシは、ダイコン、ハクサイなどの害虫。
右: フタスジヒメハムシは、マメ類の害虫。
左: お尻のうしろに細長い翅が伸びているハネナガヒシバッタ。
右: こちらは普通のヒシバッタ。
シバスズのメス。接写すると、けっこう毛深いことに気付きます。
左: エンマコオロギのオス。秋が深まると、手負いの個体が多くなります。
右: マダラスズのメス。
アカハラゴマダラヒトリ(?)の幼虫。
体液に毒を持つアオバアリガタハネカクシ。この虫を見つけたら、接触しないように注意しましょう。
いかがでしたでしょうか?小さな溝での、昆虫観察。
温暖な地方なら、初冬の頃まで楽しめますので、ぜひチャレンジしてみてください。
(初出 「むし探検メール No.44」)
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