★★ File2 裏高尾(9月下旬) ★★★
八王子市西部に位置する高尾山は、東海自然歩道で結ばれた大阪の箕面と並び、古くから自然観察の好適地として知られています。
9月下旬のある日、JR高尾駅からバスに揺られて、高尾山の北麓、裏高尾と呼ばれる地域を訪れました。
沢沿いを走る林道。木蔭と日向を交互に繰り返す砂利道が続きます。
適度に人手の入った環境が、豊かな植物相を育み、虫たちにとって絶好の棲み処となっています。
林床には、色とりどりの可憐な花が見られました。
上左:キツリフネ 上右:イヌショウマ
下:ツリフネソウの花を梯子して吸蜜するトラマルハナバチ。口吻を伸ばしながら、花の奥深くにスッポリ潜りこみます。
林縁の下草にいたアカアシカスミカメ。最初に発見したときは、「なんてクールなデザイン!」と感動し、いっぱいシャッターを押してしまいましたが、その後、あちこちでたくさん見かけました。
左:体中に魅惑的な突起を持つオオコシアカハバチの幼虫
右:ミズヒキの花を訪れたシダクロスズメバチ
ミヤマフキバッタの一種。花に囲まれてランデブー。
左:小さいながらも重厚な雰囲気のコバネヒシバッタ
右:跳躍スタンバイOK、ツマグロオオヨコバイ
左:アズマヤマアザミの蜜を吸うイチモンジセセリ
右:頭上から足元に飛来して、お行儀よくポーズをとってくれたウラギンシジミ
ヒラタアブの一種を捕らえたスジアカハシリグモ。
左:葉上をゆったり徘徊するザトウムシの一種
右:渓流沿いに多いオオシロカネグモ
遠くからでもよく目立っていたオオキノメイガ。このように、日中に活発に活動している蛾の仲間をよく見かけました。
左:水滴を吸うミツモンキンウワバ
右:葉の裏側にへばりついていたシロツバメエダシャク
蛾の仲間を捕食するオオカマキリ。虫影が濃いので、野菊のそばに陣取っていれば、食い逸れることはなさそうです。
左:ミズヒキに来たニトベハラボソツリアブ
右:ミツバフウロの蜜を吸う蚊?ではなくて、トリバガの一種
左:いかにも「正統派カメムシ」の風貌、エゾアオカメムシ
右:植物の破片かと思って見過ごすところだったウチワコガシラウンカ
半透明の翅を持つ幻想的な蛾、ホシベッコウカギバ。
(初出 「むし探検メール No.55」)
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