南風の旅人
 同じ南方系の種類でも、八重山やもっと南の島々には分布するけれど、沖縄本島にはいないというチョウも多い。しかし、それらの種類も、風に乗って海を越え、毎年のように多くの個体が本島にやってくる。
 迷蝶と呼ばれる彼らの命ははかなく、越冬できずにやがて死滅する運命にあるが、夏から秋にかけては、台風に乗って飛来し、見つかる機会も一段と増える。
 フィリピンや台湾から飛来するリュウキュウムラサキ(Hypolimnas bolina。道路沿いの樹上にとまったのを撮影した。
 荒れ地の地上にとまったアオタテハモドキ(Junonia orithya)。石垣島や西表島には定着している。はねを広げてとまると、目玉模様が目立ってギョッとしてしまう。
 吸蜜するアオタテハモドキ。ひとつ上の写真も、この写真も、メス。オスは、目玉模様が小さくて、青色に輝く部分がもっと広い。