空を映すミニトンボ
 南西諸島ならではの昆虫は、もちろんチョウばかりではない。その辺にいるトンボも、バッタも、ガも、カメムシも、よくよく見れば変わった種類ばかり。
 しかし、沖縄の昆虫達は、どうもヒトの気配に敏感なものが多く、写真撮影には苦労した。関西あたりの昆虫とくらべると、こちらの気配を察知して飛び立つ距離が1.5倍から2倍ぐらい遠い気がした。
 これは一般的な傾向なのか、それとも、今回は、私の殺気が普段より強すぎたのだろうか…。
 沖縄の空をその身に取りこんだかのような、美しいブルーの可憐なトンボ。体長わずか3cm。腹部がふくらんでいることから、その名はコシブトトンボ(Acisoma panorpoides。徳之島以南の南西諸島に分布する。これはオスで、メスは黄色っぽい。荒れ地に水がしみ出している場所で見つけた。発生地から、ほとんど離れないらしい。
 道路脇の葉っぱにとまっていたコイナゴ(Oxya hyla)。体長2cm前後。さほど主張のない姿だが、これも沖縄本島以南でのみ見られる種類。
 交尾するモンシロモドキ(Nyctemera adversata。昼行性のガで、暑いさなかを元気にヒラヒラ飛んでいた。鹿児島県以南に分布している。
 これも南国のガ、ホシヒトリモドキ(Asota plana。奄美諸島以南に分布。「…もどき」という名のつく昆虫はけっこう多いが、いずれにしてもあまり良いネーミングではないと思う。