OneDayTrip のおしまい
 次々と現れる昆虫たちに振り回され、魅せられているうちに、ふと気がつくと、はや午後の日射し。実は、頭が少しクラクラして(日射病になりかけていたのかもしれない)、2度ほど 木陰で体を休めた。
 しかし、休んでいる時にも、目の前の葉っぱに見慣れぬカメムシが、そして足元にはハンミョウが…。本州のハンミョウにそっくりだが、確かここのはオキナワハンミョウという別種であったはず。追いかけようとしたけれど、視線を向けただけで何mも飛んでしまう。ふがいないことに、もはや 「どうしても撮ってやろう!」という気力が湧いてこない。
 フイルムカウンターを見ると、最後の1本もあと10枚を残すのみ。
 いつどんな大物が現れるかわからないので、この10枚は予備に取っておくことにして、そろそろホテルに戻ることにした。
 青い空、艶やかな花々。けだるい満足感が、おしよせる。ホテルまでの道、結局、大物は現れなかった。
 帰路の飛行機から見えた、サンゴに囲まれた島。子どものように嬉しがって撮ってしまった。
 西に向かう翼。
 茜色に染まる雲海。
 急速に地平線に沈む太陽とともに、沖縄の旅は終わりを告げた。