クモ(蜘蛛)は、節足動物門鋏角亜門クモガタ綱クモ目に属する動物の総称で、昆虫亜門(六脚亜門)に属する昆虫とは分類上はあまり近くない。同じクモガタ綱に属する動物には、サソリ、カニムシ、ザトウムシ、ダニなどがいる。
クモの体は、頭胸部と腹部の2つの部分からなり、頭部・胸部・腹部の3つの部分からなる昆虫とは異なっている。頭胸部からは4対のあしが生えている(昆虫は胸部から3対のあしが生えている)。
頭胸部の背面には、ふつう8個の単眼があるが、ハエトリグモ科やコモリグモ科など徘徊性の種類を除いてはあまり発達していない。その代わり、振動覚(振動を探知する感覚)がよく発達しており、網にかかった獲物を感知したり、配偶相手を認知する際に活用する。
頭胸部の腹面には大顎、牙などからなる口器のほか、1対の触肢がある。オスの触肢はふくれて交接器になっており繁殖行動の際に使われる。ほとんどの種類は毒腺をもっており、獲物を咬んだ際に牙から毒液を注入して相手を麻痺させる。セアカゴケグモやカバキコマチグモなど一部の種類は毒性が強いため「毒蜘蛛」とされ、咬まれると危険だが、ほとんどの種類は人間に深刻な危害を与えるほどの毒性はもたない。
腹部の腹面の前方には、書肺と呼ばれる呼吸器官があり、後方には糸を出す器官である糸いぼがある。