100.11.14.1999 from ラッキーさん
瑠璃色の輝き
ヨモギの葉は、ところによっては青々としていて、春と勘違いしているのかも知れない。ヨモギの葉の上には、ナナホシテントウが多く見られたが、じっと見ているとカメムシの仲間やハムシの仲間も顔を出す。ヨモギハムシの瑠璃色の輝きは、子供のころ
ビー玉に太陽を透かしてみた輝きを思い出させる。太陽も雲も鮮やかなクリスタルブルーに染まって、それは不思議な空間を体験できる感動の小道具だった。年齢を重ねても少年の心を持ち続けることは案外難しい。昆虫観察が少年時代のあの日を、彷彿とさせてくれることに感謝したい。
園長:カメムシやハムシは、夏の盛りより、秋が深まって気温が下がってからの方が、草の表面や地面、樹木の幹などの目立つところにじっとしていて、かえって見つけやすいですね。
99.11. 4.1999 from ノゾピーさん
11月3日、庭の金柑の葉上でアゲハチョウの終齢幼虫を2匹見つけました。今年、何度か見かけるものの、終齢になるときまって、すずめがやってきて、食べてしまうので、だんだん肌寒くなってきたことと併せて、室内で飼うことにしました。ところで質問なんですが、この時期の幼虫は、今年羽化するのか、それとも来春に羽化するのか教えてください。
園長:確かに、鳥達はまるで幼虫が十分太るのを待っていたかのように食べてしまいますよね。
この季節ですと、野外の蛹は、越冬して、羽化は春になります。ただ、越冬蛹になるかどうかは幼虫の時の日照時間(13時間半以下)と気温(18度以下)によって決まりますので、飼育条件によっては、今年に羽化する場合もあります。ノゾピーさんの場合は、終齢幼虫になってから飼育されているので、たぶん越冬すると思います。
ただし、越冬蛹は、冬にきっちり低温にさらされないと、正常に羽化しないことがあります。また、あまり暖かい室内に置いておくと春になる前に羽化してしまうこともあります。蛹は、ケースにいれたまま、室外、もしくは室内の寒い場所に置いておくことをおすすめします。
98.11. 3.1999 from ラッキーさん
DNAの神秘
11月に入ると、猛々しいカマキリの姿は小さな塊に変身している。
寒々とした田んぼのあぜ道には、その塊があった。
頑丈な小枝に卵を産みつけるのが常道であろうが、来春には型くずれしそうな、やや硬めの草に産みつけたのは見当違いではなかろうか?
しかしながら、昆虫が4億年前に出現し、今のような形態になったのは約1億年前だそうだ。
その頃から、毎年のように繰り返されてきた孵化と成熟と交尾と産卵。絶えることなく繰り返される昆虫のその行動は、無言を決めこんだDNAの中に脈々と息づいているのだろう。来年の初夏のころ、カマキリのおチビちゃんは神秘と共に生まれてくる。
園長:環境が写り込んでいて、この季節の雰囲気がよく出ていますね。来年、子供達が無事に生まれますように。
97.11. 3.1999 from 藤田雪太郎さん
スズメの話の続きです。
スーちゃんが充分に飛べるようになったら大空へ放してやろうと家族で決めていました。
そして約2ヶ月後のある日曜日の朝、そのお別れの日がやってきました。
予想はしていたものの、子供たちの寂しがる様子が見るに忍びないものだったので、その日のうちに、ペットショップへ小鳥を買いに行きました。(実は予定の行動)
かわいい小鳥やきれいな小鳥がたくさんいる中で子供たちが選んだのは
中国原産の「相思鳥」という地味な野鳥。少し大きなウグイスのような鳥です。
もともと野鳥ですから、人にはなついていません。
鳴き声は美しいのですが、餌や水を替えてやる間中、ばたばたと暴れまわり、まったくかわいくない。それでも子供たちは一生懸命世話をしていました。
ところが1週間後、なんとスーちゃんが出戻りして来ました。
近所の飼い犬のエサを失敬して、犬に追いたてられているところを、その飼主の方が
「保護」してくれていたのです。素手で簡単に捕まったと言う事ですからやはり、人を当てにしていたのでしょう。
しかたなく(家族は大喜びで)相思鳥と同じカゴに入れておくと、このスズメ、まだ子供のくせに自分より一回り大きな相思鳥を
「なんだ、この新入りめ!」とばかりに追いまわしています。スズメがこんな攻撃的な鳥だとは知りませんでした。
数日後、もう一度放したのですが、どこへ行く気配もないので
もう野に放つのは無理と思い、もう一つ鳥かごを買ってきて別々に
飼う事にしました。 ところが、鳥かごを二つ並べて飼っているうちに、面白い現象が起きていることに家族が気付きました。
この続きはまた次回。
園長:お話の前の部分は、90をご覧ください。
96.11. 2.1999 from ラッキーさん
ひなたぼっこ
ナナホシテントウ 11月上旬になると、朝晩は結構冷え込む。
見られる昆虫の種類もかなり少なくなった。
それでも晴れた日の11時頃になると気温が上がってくるせいか、
どこからともなく昆虫が日溜まりに集まってきて、
ひなたぼっこしている姿を見ることができる。枯れかけた花にはキタテハ、ヨモギはヨモギハムシ、
ススキにはアキアカネ。所々にハナアブが飛んでいる。
そんなとき殺風景な野原に赤く映えるナナホシテントウがいた。
ナナホシテントウの背に太陽が光って美しい。彼は日光のありがたさをかみしめているように、
じっとひなたぼっこに専念していた。
園長:ナナホシテントウがとまっている植物も寒そうな雰囲気ですね。関西も、めっきり虫が少なくなりました。これからの季節、冬越しをする昆虫の写真なども、楽しみにしております。
95.11. 1.1999 from D.M.さん (Re:91)
キタクロオサムシがヒメオサの亜種という記載があったのですか。一応今最新の学名ではキタクロはCarabus alberchti
でヒメオサはCarabus japonicusとなってきます(どちらも原名亜種)。でもヒメオサには色々なぞが多いようです。例えば四国にいるヒメオサと九州
のヒメオサは今同一種(亜種は違いますが)になっています。でもDNAを調べたら
どうも全く違う祖先から進化をしてきて偶然?似てしまったような種であるらしいです。私もかいつまんでしか聞いていないのではっきりとしたことは言えませんが。とにかく興味深いことを教えていただきました。ありがとうございました。
虫に関するHPは少ないですが、こういったページができるのは昆虫を研究していて
非常にうれしく思います。ムシ嫌いを減らす為にぜひ充実していってください。地表性のオサゴミの関連なり他の昆虫でも、なにか研究室で分かるものであれば協力したいと思っていますので、そう言った機会がありましたらまたご連絡下さい。
園長:やはりヒメオサムシとキタクロオサムシは別種扱いなのですね。
さっそく昆虫エクスプローラの図鑑の内容を訂正しておきます。
(学研生物図鑑 昆虫U改訂版(1990)では、キタクロオサはヒメオサの亜種 C.j.alberchti とされています。)
それにしても、九州と四国のヒメオサが、違う祖先から進化して
偶然似てしまっている可能性があるということは、結局これらも別種になってしまうかもしれませんね!オサムシの種分化は本当に複雑ですね。
オサゴミ関連でわからないことが出てきたら、またお尋ねしますので、
その節はよろしくお願いします。
94.11. 1.1999 from Y.S.さん
すごくばからしいことを聞いて申し訳ないのですが、もしご存じでしたら教えてくだ
さい。「蝶や蛾の口」(あのくるくるストローみたいなやつ)って、日本語で何らか
の用語があるのでしょうか。実は私、翻訳者で、この部分の名称を知りたいのです。
ちなみに訳しているのは別に蝶の本ではなく、ちょっとした引用。(ダーウィンがマ
ダガスカルで1850年に口の長いスズメガを発見した、というくだり)。原文は
"Tongue"となっているのですが、まさか「舌」ではないですよね?
園長:チョウのストローは、「口吻(こうふん)」と呼ばれます。
口吻は、実は完全なストロー型をしているのではなく、内側に溝がある
細長い部分1対からなっていて、これらをぴったり合わせることによって、
ストローの形をつくっています。
ダーウィンということは、たぶん「スズメガの仲間が、筒状の花の蜜を
吸うのに適応して、口吻が長くなった」というようなお話なのでしょうね。
93.11. 1.1999 from 安東義乃さん
大変遅くなって申し訳ないのですが やっとホームページが完成いたしましたので
送らせていただきます
どうかよろしくおねがいします
http://www.nttl-net.ne.jp/cast45
園長:83で、金属昆虫標本をご紹介いただいた安東さんです。ホームページのタイトルは「鋳造WORLD」といいます。皆さんもどうぞご訪問ください。(今のところ、サイト内のリンクがうまくいってない部分があるようですけど…)
92.10.31.1999 from D.M.さん
私はオサムシやゴミムシの生態などを研究しているのですが、ちょっと気になること
がありましたので、失礼ですがメールを書きました。
ヒメオサムシの生息場所の*マークのことなのですが、北海道にもついています。原色日本甲虫図鑑など色々調べましたが北海道が生息地であると言う記載は見当たりませんでした。ヒメオサでなくなんとなく似ているクロオサムシの仲間であったら北海道にもいるのですが。もし北海道でヒメオサが生息していて、それに関する文献などありましたらご連絡いただけないでしょうか。
園長:ヤマトオサムシ、エサキオサムシや、北海道にいるキタクロオサムシが、ヒメオサムシの亜種であるという記載があったので、あまり深く考えずに、種としての分布を示すつもりで、北海道にもマークしてしまいました。
しかし、改めて調べてみますと「これらを別種と扱う説もある」とも
書かれていて、不安になっています。別種なのか亜種レベルなのか、最近の説はどうなっているので
しょうか?
また、もし亜種だったとしても、オサムシのように亜種名が世間に通っているものは、リストの表現を一工夫するか、種別の詳細
ページに解説するかが必要だと気づきました。
91.10.31.1999 from スマオさん
はじめまして。大阪のスマオといいます。
はじめて貴サイトを拝見し、 うれしくなってリンクさせていただきました。
自分に子供ができたら、こんなふうにしてやりたいと思います。
素敵です。
なお、当方、お散歩BANANAなるへなちょこ系コーナーです。
お客さまには若い主婦もいらっしゃるので反応が楽しみです。
どうかご了承の程お願いいたします。
http://kigaru.gaiax.com/home/osanpo/
園長:ほめていただいてありがとうございます。リンクもありがとうございます。
お散歩BANANAは、毅然とした態度で鼻をとりはずししている
へなちょこなブタがいる、肩のこらない楽しげなサイトです。皆さんも一度ご訪問ください。
へなちょこ動物園も、当初はもっとへなちょこ系にするつもりが、思いのほかマジメなサイトになってしまっています。今後、少しずつ、へなちょこ度合いを高めようとたくらんでいます。
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